唐人お吉の唄(黒船篇)
おもいだします お吉の声を
磯の千鳥の啼く音さえも
下田港の 下田港の黒船ゆえに
うたう涙の明烏 サイナ
恋の黒船 煙けむよりうすい
仇な情の一夜の妻よ
お吉可愛や お吉可愛やコンセル通い
黄楊つげの横櫛洗い髪 サイナ
雨よ降れ降れ 降る亜米利加に
どうせ乾かぬこの袖たもと
今日も暮れるか 今日も暮れるか下田の海は
青い眼のよな 波の色 サイナ