谷の白百合  横井 弘 作詞 飯田 三郎 作曲

深山の風に揺れながら 百合よ白百合なに思う

 ひとすじ夢に咲けばとて 訪ぬるものは山波を

音無く過ぎる 雲ばかり

 

ひぐらし啼けば今日もまた 百合よ白百合なに思う

 峯は茜にもゆるとも やがて虚しく消えゆきて

さびしく暮れる 空ばかり

 

はかなく露をこぼしつつ 百合よ白百合なに思う

 はるかな空の憧れを 谺に呼びて待ちわびる

谷間はゆうべ 露ばかり