山田耕作童謡100曲集

葱坊主    西条八十 作詞  

 

旅人たびびとが 旅人が 

 下田街道しもだかいどのまん中を

    ひとり泣き泣き通った

なんと泣いて通った 

  山越えて 海越えて

    やっと戻った 故郷ふるさとの 

       寺の擬宝珠ぎぼしが見えるとて

三度笠さんどがさとりけよれば 

 畠に生えた葱坊主ねぎぼうず

  それがかなしと 泣いて通った

 

 

耕作百言

 音と言葉の眞の融合のない作品を藝術品と呼ぶことを

躊躇せずにはゐられない。