高橋掬太郎 作詞 大村能章 作曲

かけた情がいつわりならば

 なんで濡れよか男の胸が

  鬘下地にともしび揺れて

   いつか浮き名のこぼれ紅

 

好きといおうか嫌いといおか

 嘘と誠は両花道よ

  仇な夜風にまた騙されて

   ほろり落とした舞い扇

 

誰の涙か二ひら三ひら

 廻り舞台に散る花片よ

  恋は一筋いのちにかけて

   なんのこわかろ小判鮫