女給の唄    西条八十 作詞 塩尻精八 作曲

わたしゃ夜咲く酒場の花よ 赤い口紅錦紗のたもと

ネオン・ライトで浮かれて踊り さめてさみしい涙花

 

わたしゃ悲しい酒場の花よ 夜は乙女よ昼間は母よ

昔かくした涙のたもと 更けて重いは露じゃない

 

弱い女をだまして棄てて それがはかない男の手柄

女いとしやただ諦めて 辛い浮世に赤く咲く

 

雨が降る降る今夜も雨が 更けてさみしい銀座の街に

涙落ちても恋しいむかし 偲べ偲べと雨が降る

 

泥でこさえた人形の首も 風の吹きよじゃ横にもふるよ

チップ暮らしのしがない身にも 燃える血がある意地がある