シューベルト 冬の旅 より

夢路をたどれば 緑の牧場に

花の香ただよい

歌声楽しく 小鳥ら飛び交う

 

 啼く鶏に 夢は破れ

小暗き朝の肌刺す寒さよ

声も侘びしく 鴉ら鳴き行く           

 

冷たい窓のガラスの上に

誰が書いたか氷の花よ

暗い冬の日に春を夢みる

                        春を夢みる

夢路をたどれば やさしい人の

あついくちづけ 楽しい語らい

                             楽しい語らい

啼く鶏に 夢は破れ

人無き部屋にひとりめざめて

みはてぬ夢を追いつつなげく

 

まなこ閉ざして手をあわせれば

胸は高鳴り 心騒ぐ 春の日差し浴び

君をこの胸にいだくのは何時の日