52 箱根の山 野口 雨情 作詞
箱根のお山で 狐が啼いた
とんがり口して コーンと啼いた
とんがり口して コーンと啼いた
懸巣が眞似して コーンと啼いた
ほんとの狐と 狐が思った
とんがり口して コーンと啼いた
耕作百言
リヅムは直ちに反射的運動を促すが、旋律或は音階は
それが反射的でなく、それだけ人体内に止り、その種子
は体内に培養されるので、反ってその危険が多いのである
例へば、音楽演奏に於いても、それを聴いてゐる時は
たゞそのリヅムによって、感情の運動、或は人体に現れる
運動を促されるだけであるが、知らぬ間に注入された旋律
(節)は、思いもかけぬ時に、ふと唇頭に上るものである。
即ちその旋律は体内に深く潜入培養されつゝあったので
ある。