山部赤人 長歌
天地あめつちの 分かれし時ゆ 神かんさびて
高く尊き 駿河するがなる 冨士の高嶺たかねを
天の原 振りさけ見れば
渉わたる日の 影も隠かくろい
照る月の 光も見えず
白雲も い行きはばかり
時じくぞ 雪は降りける
語り継ぎ 言い継ぎ行かん 冨士の高嶺は
田子の浦ゆ 打ち出いでて見れば 真白にぞ
冨士の高嶺に 雪は降りける