葡萄の蔓 北原白秋 作詞
葡萄の蔓は 眼のある蔓か
わたしの窓へ 朝も晩ものびる
葡萄の蔓よ 何見てのびる
日の照る硝子 ちらちらするか
緑の指よ 葡萄の蔓よ
日に日に待てば 日に日にのびる
近寄れ早く 葡萄の蔓よ
ねんねの夜も 揺れ揺れのびよ
耕作百言
樂曲の美くしさなども畢竟するにその中にある
一點の趣きによるのではあるまいか。