朝日は昇りぬ   

  朝日は昇りぬ日は出でぬ

  海には帆綱をたぐり上げ

   追手に帆あげて船出する

    海士人今や勇むらん


 朝日は昇りぬ日は出でぬ

  山には小牛を追ひながら

   朝露踏分け登りゆく

   少女の歌や高からん


 朝日は昇りぬ日は出でぬ

  町には工場の笛鳴りて

  今しも薄らぐ朝靄に

   機械の音や響くらん