西条八十 作詞 古賀政男 作曲

緑の風におくれ毛が 

 やさしく揺れた恋の夜

  初めて逢うたあの夜の君が  

   今は命を賭ける君          

 

たそがれ窓に浮かぶのは 

 いとしき君の旅姿

  我ゆえ歩む道頓堀の

   水の夕陽が悲しかろ

 

気強く無理に別れたが 

 想い出の道恋の街

  セビロに残る移り香かなし

   雨の銀座をひとり行く

 

鈴蘭匂う春の夜

 灯火うるむ秋の夜

  泣いた三百六十五夜の

   愛のふたりに朝が来る